Stand and Fight

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大手素材メーカーNo.1営業マンからWebエンジニアに転身した男のブログ

【あんびーのヘンケン日記より】化学メーカーが就職先として魅力的な理由(2019/5/19)

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過去に私が書いていた「あんびーのヘンケン日記」から、人気の高かった記事のみこちらに移動させてきました。

 

 

私は大手化学メーカー勤務ですが、私が化学メーカーを選択したのにはそれなりに理由があります。
私が学生時代に考えていたこと、社会人として日々を過ごして改めてわかったことを織り交ぜ、説明していきます。
希望の就職先が見つからない迷える子羊の指針になればと思います。

 

 

日本に残る数少ない勝ち組業界

日本の家電業界が死に、お家芸だったはずの自動車業界ですら次世代開発に乗り遅れてしまっている昨今、私にとって化学メーカーは魅力的でした。

化学業界は、世界相手にビッグスケールで大勝ちしてはいないものの、優れた戦略で世界シェアNo.1製品を多数生み出している優秀な業界なんです。

日本の化学メーカーの基本的な戦略は、「ニッチな業界で圧倒的なシェアを高単価で」です。
汎用品の市場を単価勝負でせめてしまうと、規模で圧倒的に勝る米国、中国企業には勝てません。(このひとたちは規模の経済を発揮しまくってきます)
そこで日本企業は、通常米国や中国が注目しないような、ニッチで、だがしかし確実な需要がある市場を探し求めてきました。

この「ニッチな市場」を探索するのは実はものすごく難しいことなのですが、
それでもこういった市場を見つけられる戦略思考を持っている、という点が私には非常に魅力的に映りました。

 

化学メーカーは高給

化学メーカーは高給です。なぜなら、儲かっているから。

具体的に儲かっている仕組みを説明すると、
・日本の化学メーカーはニッチな市場で大きなシェアを持っている
・その市場はニッチで競合が少ないため、製品が高単価で売れる=高利益率になる
・これらを、少数精鋭でやってのける=稼いだ利益のうち1人に分配される額が大きい
ということになります。

総合商社ほどではありませんが、他業界と比較すると高いです。
かつ、利益率がよいので効率よく稼いでいる=仕事量に対して給料が高い、という点も魅力的ですね。

 

レベルの高い営業

これは、BtoBとBtoC営業の比較にもなりますが、
一言で言うと、BtoBの営業は「高度な論理力」が求められます。

なぜなら、
・提案型営業である(客のニーズに対して仮説を立て、論理的に提案する)
・会社対会社なため、お互いの企業の戦略や国の経済状況も加味した戦略策定が個人レベルで必要になる
・会社対会社なため、個人担当範囲で動く金額が大きく(BtoCとは桁違い)、プレッシャーがかかる
・開発との連携が必要なため、技術、生産、顧客事情など多岐にわたる要素をマネジメントする必要がある
からです。

レベルの高い論理思考はキャリアアップを目指す際にも大きな武器になるので、私にとっては魅力的でした。


BtoCを非難するわけではありませんが、BtoC営業は「論理」よりも「人情」が大きく作用すると思います。

銀行員がおばあちゃんに「カード作ってね」と言ってる場面を思い浮かべてくれればわかりやすいです。この営業も、先述の化学メーカーの営業も共に「営業」ですが、外められる素養が大きく違いますね。


就活生はミーハーなので、名前の聞いたことのあるBtoCメーカーに集まりがちですが、私から言わせると「愚か」の一言です。
みんな大好き飲料メーカーのやることは、各食料品店を周って、店長と仲良くし、棚の配置を決めることです。

 

少人数採用

化学メーカーは基本的に少人数採用です。
先述したように、基本的に少数精鋭で営業をし、利益の分配額を大きくします。

少数採用であれば、個人の面倒も手厚く見てもらえますし、個性も出しやすい、という点もメリットです。
また、質の悪い人と同期になる可能性が低い、という点も実は大きい。

 

整った福利厚生

化学メーカーは全体的に福利厚生が良いです。
なぜか。
理由は全て先述している通りで、儲かっているから、です。

まず、前提として、福利厚生を整える、というのは企業側にとっては金銭的に負担になります。なので、儲かっていない企業は福利厚生を充実させることができません。
例えば、スポーツクラブの月謝を半分出します、というような制度は、儲かっていない企業には実施できない福利厚生の内容でしょう。

化学メーカーは少数精鋭で儲けているため、1人あたりに当てられる金額が大きく、福利厚生も充実させられるのです。

また、休日も基本的に暦通りです。

 

まとめ

以上が私の考える、化学メーカーが就職先として魅力的な理由です。

一言で言ってしまえば、「賢い人が戦略的に仕事して儲かっているから」ですね。