【あんびーのヘンケン日記より】総合職新卒1年目の配属先として人事・総務を避けた方が良い理由(2019/5/24)
過去に私が書いていた「あんびーのヘンケン日記」から、人気の高かった記事のみこちらに移動させてきました。
こんにちは。あんびーです。
本日は、内定が出た後、配属希望部署を聞かれた際の配属先選定についての記事です。
私の個人的な意見としては、「人事・総務は避けた方が良い」です。
※この主張は総合職志望の人に向けたものです。一般職は対象外です。
その理由を述べていきます。
人事・総務の仕事内容は?
まず、人事・総務がどんな仕事をしているの?という点です。
人事はみなさんご存知の通り、採用を始め、社員の育成、社内の就労管理、評価制度の管理、人事異動の決定、福利厚生制度の管理など「人」にまつわる業務を担っています。
総務は、何にも分類できない「その他」の仕事です。
企業によっては人事と総務が同じ部署であることも多く、その仕事内容は重複しています。
なぜ新卒で人事・総務は避けた方が良い?
ではなぜ新卒で人事・総務への配属希望をしない方が良いのか。
それは「ビジネスマンとしての素養が全く身につかないから」です。
こう主張する理由は大きく3つです。
①論理力が身につかない
②汎用的な知見が身につくだけ
③プレッシャーがない
まず①について。
論理力というのはビジネスマンにとって最も重要な能力なのですが、それらは高度な戦略策定や関係者や社内との日々の議論によって培われていくものです。
相手をいかに納得させるか?という論点に頭を使い、1対1で説得を試みる。
この経験が非常に重要なのです。
特にBtoB営業の場合は、相手が業界を熟知した専門家であり、その相手を納得させるためのセールストークは強固な論理で固められている必要があります。
それに対し、人事という仕事は、よっぽど高度に人事戦略を考えていない限り、こういう機会がほとんど得られません。
また、人事が相手にする「人」は主に学生か社員であり、そこに情報の非対称性があるため、構造的に人事・総務側の方が有利です。
そのため、人事は日々の業務で極度に論理を突き詰めるという場面が少なく、結果として論理力が身につかないのです。
②についてはある意味メリットでもありますが、ビジネスマンという視点で考えた場合はデメリットです。
人事という仕事はどんな会社であっても必要とされます。そのため、「くいっぱぐれリスク」は非常に小さいでしょう。
ただ在籍する企業によって身につく能力の差が小さく、個人間の仕事能力の差も現れにくいため、「突出した人材になること」は非常に難しいと考えます。
そのため、出世やキャリアアップは望みにくい、というのが現実だと思います。
③については、先述したように人事の仕事の構造が原因です。
人事は学生や社内の人間など、自分が極端に情報優位な相手としか議論を交わしません。また、背負っている数字や緊急対応も少ないため、日々のプレッシャーが営業とは段違いに低いです。
プレッシャーは心への負担という意味で、負の要素もあるかもしれませんが、
一流のビジネスマンへ成長する上では間違い無く必要なものだ、と私個人は考えます。
プレッシャーを突き詰めると、自分の能力のなさ、へ行き着くことがしばしばです。
普段、「自分の能力内に収まること」をしている時は、人間はプレッシャーもストレスも感じません。
ただ、「自分の能力内に収まらないこと」に直面すると、人間は途端にプレッシャーやストレスを感じるのです。
そのプレッシャーは「自分の能力を拡大する」か「逃げる」かのどちらかでしか解消できません。
自分の能力を拡大する、という選択肢を与えてくれるプレッシャーのある環境下でしか、ビジネスマンとしての成長は見込めない、というのが私の考えです。
人事は仕事ができる人が行く部署じゃないの?
じゃないです。
これは就活生がよく誤解しますが、むしろそなんなに仕事のできない人間が人事・総務にいきます。
考えてみてください。
仕事ができて会社に利益をもたらすことができる人間を人事・総務部においておきますか?
そんなことしません。
企業は「利潤を最大化すること」が目的です。
稼げる人間は営業にいます。
私の会社でも新卒で人事・総務配配属→その後営業配属という人が何人かいますが、
そろいもそろって仕事ができないです。
うち1人は追い出されるように労組専従になりました。
人事・総務のメリットは?
一言で言うと仕事が楽なことです。
仕事はルーティンや処理作業が多いですし、
先にも書きましたが、プレッシャーが少ないです。
私の会社の人事・総務の方も、毎日楽しそうにまったりと仕事をしています。
ビジネスマンとしての成長を求めない、生活の安定性重視の方には最適な部署になります。
いや、むしろ人事・総務以外の選択肢はないのでは?
例外は?
先ほど、人事・総務には仕事のできる人間はいかない、と書きましたが、例外もあります。
リクルートやオープンハウスのような企業は、トップ営業マンを人事に配属します。
それはあくまでも採用戦略の違いが理由ですが、リクルートは「新卒採用」というものを経営戦略として重視しているため、採用にリソースを惜しみなく投下します。
経営戦略として最重要=利潤の最大化にとって最重要な部分を最も仕事のできる人間に任せている、ということです。
また、最も仕事のできる人間を就活生の目の前に立たせ、共感性の高い人間を採用することで、
その中に同じように仕事のできる人間がいるという確率を上げる、というのも狙いの一つでしょう。
大企業でこういう人事戦略を取っている、という話は聞いたことがありません。
まとめ
就活をしていると「人事は出世コースだから、あの人はすごいんだ」などということを、まことしやかに言う人がいます。
でもそれは間違いなんです。就活説明会で、みなさんの目の前で威厳たっぷりに「働くとはー〜!」と言っている人事担当者は、そんなに仕事のできる人間では無いです。
人事の言うことがなんでも正しいような気がしてしまう就活期ですが、しっかり公平な目でジャッジするようにしてください。
最後に、私は決して、全ての人事・総務が仕事のできない人間だ、と言っているわけではありません。
私が学生時代に就活説明会に参加したメタ◯ワンの採用担当は、今でも強烈に印象に残っているほど、心に響くプレゼンをする人でした。
今でもあの人は本当に優秀な人だっただろうと思っています。
その人は今、メタ◯ワンを退社し、ベンチャー企業で営業として活躍しているそうです。