Stand and Fight

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大手素材メーカーNo.1営業マンからWebエンジニアに転身した男のブログ

【あんびーのヘンケン日記より】化学業界での仕事のイメージ(2019/5/21)

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過去に私が書いていた「あんびーのヘンケン日記」から、人気の高かった記事のみこちらに移動させてきました。

 

 

こんにちは。
今回は、化学メーカーの営業は日々どんな働き方をしているのか?について書いていきたいと思います。
※前提として、この記事で触れる化学メーカーとは、あくまで本体企業のことであり、その下に連なる子会社・関連会社は対象としていません

 

 

化学メーカーの営業とは

化学メーカーの営業は皆さんが想像しているいわゆる営業とはちょっと異なります。

おそらく皆さんが想像している営業は、毎日お客さんのところへ足繁く通い、仲良くなり、、、というものだと思いますが、それはどちらかと言うと、化学メーカーの子会社」(販売会社)の仕事です。
では化学メーカー本体の営業が何をするかと言うと、「プロダクトマネジメント」です。

まず、化学メーカー営業の構造から説明すると
基本的に客の元へ通い、直接話をするのは、「販売会社」と言われる子会社・関連会社になります。
これら販社は基本的に各国ごとに存在し、その国のエリアの営業を担当しています。いわゆる「営業」というイメージに対しては、この販売会社の営業の方が近しいでしょう。
化学メーカー本体の営業は、彼らから引き上げたニーズを開発部隊と連携して製品に落とし込んでいく、という活動をします。顧客ニーズの整理や技術優位点の探索、販売方法の策定なども込みの仕事です。
そのため、化学メーカー本体の営業は、毎日のように直接客と会うことはなく、重要なポイントのみ顔を出す、という場合が多いです。

化学メーカーのプロダクトマネジメントの内容には開発部隊と連携して新製品開発の他に、
マーケティング
・営業戦略・事業戦略作成
・売上数字管理
も含まれています。

 

海外へ行く機会は多い?

多いどころか、海外へ行かないと仕事はありません。
海外出張も駐在も当たり前にあります。

日本の化学メーカーが儲かっている理由の一つに、海外売上比率が高い、というのもあります。
日本のドメスティックな企業が軒並み海外進出に遅れ、海外売上比率を上げられないでいる中、日本の化学メーカーは積極的に海外へ進出し、大きなマーケットを獲得してきました。
そのため、日本の化学メーカーの多くは、6〜9割程度が海外売上であり、仕事の多くは海外に転がっています。

また、製造業自体、もはや海外にしか仕事がない、というのも理由の一つです。
製造の拠点は、これまでであれば中国、この先は東南アジア、アフリカ、という風に製造コストの安い地域へ移っていきます。開発拠点はいまだに自国、というメーカーが多いですが、それもどんどん海外へ移っていくでしょうから、営業訪問先も海外になってくるわけです。


私は現在、月に2回ほど海外出張に行っています(両方ともアジアの国)。
月に最低1回、多い時だと3回ほど海外出張にいきます。
私は一時期、日本を含む複数の国を掛け持ちしていましたので、一月で6回しか自分の家のベッドで寝られなかった、ということもありました。
流石にあれは忙しい時期でしたし、例外的ではありましたが、月に1週間以上は海外で過ごす、と考えておいて間違いないと思います。

今はどのこ企業もグローバル化をアピールしていますが、その実態は、数万人の社員のうち、海外に行けるのはごく数人(歴戦のエリート)。しかも駐在ベースだけ。という有様です。
担当レベルからガツガツ海外に行けるのは間違い無く化学メーカーの特徴です。

 

英語は必須?

英語は必須ではありません。

が、もちろんできた方が良いです。

必要でない理由は、
・現在の大きなマーケットは中国なので、英語で話さないから
・現地の販売会社の人が日本語を話せるので、通訳してくれるから

です。

ただ私の場合は、東南アジアの顧客と直接やり取りすることもあるため、
ほとんど毎日、英語でメールは書いています。

実際採用に関しても、私の会社ではTOEICの点数で足切りをしていました(入社後に聞いた話)。
たしか600点くらいだったのでそんなに基準は高くありませんが、完全にグローバルな業界ですので、コミュニケーション取れる程度に語学はできた方がいいですね。

 

化学メーカーの営業は激務?

化学メーカーの営業は人によっては激務だと感じると思います。
なぜなら、
・毎月海外へ行く必要があり、その移動時間がひたすら長いから
・この拘束時間に加え、1日にメールを何件も返さなければいけないから
・海外のは時差があるので、時間外でASAPの依頼が普通にくるから
サプライヤーにとって、スピード重視の特別対応も競争優位性の一つだから

営業時間外に移動は当たり前で、夜中の23時に帰国とかも普通にあります。
かつ、私の場合は1日に200件くらいメールが来ます。
で、18時過ぎに、「明日のAM中までにお願いします!」とかいう殺したくなるメールが来て、しぶしぶ対応します。


とはいえ、残業時間は、30〜45時間程度です。
いわゆるブラック企業と比べると全然ましです。

激務度でいえば、外資系コンサル>>総合商社>化学メーカー>銀行>>NTT>=公務員
という感じのイメージでしょうか。


ただ、これらは全て、部署によります。
化学メーカーであれば、
・不採算の部署
・モバイル関連企業に製品を納入している部署

は浮き沈みが激しく、かつ人でも足りず、激務になる傾向が高いです。

 

まとめ

・化学メーカーは本当の意味でグローバルな仕事であり、
・総合商社ほと激務にはなり得ない
・けど、辛い時はそりゃ辛いよ
ということがわかってくれればと思います。

ざっくりこんな感じですが、記事を書いていくと化学メーカーの営業の働き方、についてはまだまだかけそうだと感じたので、「その②」があるかもしれません。

それでは。