Stand and Fight

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大手素材メーカーNo.1営業マンからWebエンジニアに転身した男のブログ

【メーカー営業】企画・開発・提案・販売に共通して”重要なこと”

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こんにちは、アンビーです。

新卒入社3年目で1兆円素材メーカーの売上No.1営業マンになった経験から、営業ノウハウと気付きを発信します。

 

本日は私がメーカー営業として教わった企画、開発、提案、販売、全てに共通して重要なことをお伝えします。

 

 

 

「勝ちポイント」を明確にせよ

私が今の会社に入社してから4年間、徹底的に叩き込まれたことが

「勝ちポイント」を明確にしろ

ということです。

 

「勝ちポイント」と言われてもあまりピンとこないかもしれません。

一般的には「差別化点」という言い方をするとわかりやすいかもしれません。

ただ私の会社では「勝ちポイント」という言い方をしていましたし、この重要性を理解すると「勝ちポイント」の方がしっくりきます。

 

製品を企画、開発、提案、販売する際、これらを明確にしないと絶対にうまくいかない、と口酸っぱく言われました。

最初は何がそこまで重要なのかいまいち理解できませんでしたが、4年も立つと身を以て意味が理解できるようになりました。

 

勝ちポイントとは何なのか?

勝ちポイントとは「他社と自社を比較した時に、何で他社に勝り、勝ち切るポイントとするか?」です。

「差別化」という言葉も同意義なのですが、「勝ち切る」ということが重要なのです。

そこには「このポイントだけは他社に絶対に負けない」という明確な意志が含まれます。

 

なぜ「勝ちポイント」が重要なのか

その① 「勝ちポイント」が明確でないと顧客が自社製品を選ぶ理由がない

しごく当たり前のことを書いているような気がしますが毎日必死に仕事をしているとこの当たり前がわからなくなりがちです。

「勝ちポイント」がないとお客さんが自社を選ぶ理由がないのです。

なぜならどちらも同じ製品に見えるから。

 

お客さんからすると「勝ちポイント」のない2つの製品はどちらを選んでも同じに思えます。

それでもなんとかして選ぶ理由を見つけようとします。

すると多くの場合は「価格」が選定基準になります。

「価格」も「勝ちポイント」ではあるのですが、値下げ合戦になり利益がすり減っていくので決して良い商売にはなりませんね。とても”うまくいっている”とは言えない状態に陥ります。

 

その② 「勝ちポイント」が明確でないと営業も地獄

「勝ちポイント」を明確にすることは自分たちのためでもあります。

なぜなら「勝ちポイント」のない製品は何が良いのか営業自身もわからないので、提案ができないから、です。

良いところがない製品を売り込むことほど地獄な営業はありません。

では良いところがない製品を売るにはどうすればよいか?というと、結局「人」で差をつけるしかありません。「人」を勝ちポイントにするしかないのです。

「人」で差を付けようとすると「24時間どんな時でもお客さんの呼ばれたら行く」とか、「週5でお客さんの飲みに付き合う」とか、最悪の場合枕営業なんてこともなきにしもあらずです。

自分というリソースをすり減らして消耗しながら売りに行く地獄の営業です。

これを「営業冥利に尽きる」とか言う人がいますが、営業冥利どころか使い捨ての雑巾です。

 

私が一緒に仕事をさせてもらった商社は、お客さんに製品を届けるため、土曜日に片道2時間半の道を運転。夜中の11時に帰宅、という働き方をしていました。

「人」しか勝ちポイントがなくなってしまった状態ではこのような地獄に陥るのです。

 

「勝ちポイント」は「価値ポイント」であれ

私は「勝ちポイント」が常に「価値ポイント」であれ、と考えています。

これはどう言う意味かと言うと、「勝ちポイントは常に”性能的付加価値であれ”」という意味です。

製品の性能自体に勝ちポイントがある状態が、事業的にも働き方的にも最も素晴らしいのです。

 

なぜ「価値ポイント」であるべきか?

なぜ性能を「勝ちポイント」とすべきか?というと、性能が勝ちポイントであれば「楽して高利益を獲得できるから」です。

性能差を付加価値として価格に乗せ売れば高利益を獲得できます。

値下げ合戦をして薄利多売に陥ることもなく、「人」で売って消耗する必要もない。

一言、素晴らしい製品ですよ、と紹介して買ってもらい、あとは鼻くそをほじっているだけでどんどんお金が入ってくるのです。

 

私はかつて、たった2時間製品説明をしただけで半期5千万円の売上を稼ぎました。

5千万円という金額自体はそこそこ良い、くらいの数字ですが、たった2時間製品説明しただけでこの金額であればコスパ最強です。

この時の製品はコンセプトと「勝ちポイント」が明確で非常に売りやすかったのを覚えています。

 

逆に価格を「勝ちポイント」にした製品も担当しました。

この製品は長い開発期間を経ていざ販売開始を始めた頃に、中国メーカーが50%も安い価格を提案してきたため全く売れませんでした。

日本企業のスピード感とコスト競争力では中国の企業には勝てないのです。

 

 

「勝ちポイント」は”企画”の段階で明確にすべき

「勝ちポイント」は企画段階で明確にしておかないと後に必ず迷走します。

そもそもこの製品はどんな製品なのか?のコンセプトがない製品は開発しても、どうやって売るんだっけ?状態になり、しかし開発した以上撤退もできずとんでもないことになります。

企画の段階でどれだけストーリーを描けるか?が重要です。

 

まとめ

付加価値が重要と一般的にもよく言われますが、その重要性を理解できていない人は多いように思います。

しかし実務を経験すると本当に重要なことなのだと、よく理解できるのです。